鎌倉殿の13人
第20回 2022年5月22日放送
本編タイトル「帰ってきた義経」
紀行コーナー:高館義経堂(岩手県平泉市)・接待館遺跡(岩手県奥州市)
はい、今回は源義経の最後の地でした。本編はなかなかのドラマでしたね。筆者は義経ファンですが素晴らしい演出だと思いました。そもそも源義経は伝説としてかなり脚色された逸話が多いですから多様な解釈があっていいと思っています。今回の「弁慶の立ち往生」の逸話を背景とした会話や、これまでの回でも「宇治川の先陣争い」を義経の策としたもの、「鵯越の逆落とし」の場所の曖昧さを後白河法皇への報告時の脚色との解釈など大変興味深かったです。屋島の扇の的や安宅の関の勧進帳など完全スルーされた逸話もありますが、今回の大河は義経が主役ではないですからね。
紀行コーナーに関してはまあほぼ予想通りと言っていいのではないでしょうか。松尾芭蕉の「夏草や 兵どもが 夢の跡(なつくさや つわものどもが ゆめのあと)」も紹介されましたし(笑)。紀行担当者は芭蕉ファンでしょうか。いやむしろ今年の大河の紀行コーナーに関して少しずつ感じてきたのは「本当にあった場所」への意識が強いのではないかということです。高館義経堂に加えて紹介された接待館遺跡はこちらが本当の衣川館ではないかとの説のある場所のようです。
衣川館(ころもがわのたて)は義経が自害した場所ですが、この所在地が現在の高館義経堂(たかだちぎけいどう)の場所という説と、現在の接待館遺跡(せったいだていせき)の場所という説とあるということですね。「衣川の戦い」「衣川館」という名前からすると衣川に近い接待館遺跡の方も説得力がありそうです。
後述しますが接待館遺跡って素人目にはほぼ野原ですよね。800年以上前ですから当時の建物が残っていることはほとんどなく。ただ神社やお寺は信仰による人の営みが続くので建物がそのままかどうかは別として名前は残りやすい気がします。単なる館とかは難しいですね。一の宮や国分寺は残りますが、国府や国衙(今の県庁みたいなもの)はあまり残っていない気がします。今年の大河の紀行コーナーは野原や石碑だけとかも結構ありますよね。そのようは場所のことをこのサイトでは「上級者向け」なんて表現をしてたりします。
前置きが長くなりました。それでは今回も調査して行きましょう。
出ました徒歩1時間越え。。。とりあえず以下にこの2つを含めた紹介された場所のGoogle My Mapsを示します。
基本的には平泉駅周辺になります。接待館遺跡は緑の木のマークですが、そこも前沢駅より平泉駅が近いです。なぜ前沢駅からのアクセスで紹介されたのでしょうか?さすがに今回は奥州市への配慮ではないかと。。。勘違いだったらごめんなさい。
高館義経堂(たかだちぎけいどう)
まずは昔から義経最後の地と言われてきた高館義経堂です。下が平泉駅から高館義経堂へのルートのGoogleマップの埋め込みですが、確かに徒歩20分ぐらいですね。
20分ですから歩いても良いのですが、バスで行けないこともないようです。まずは平泉町巡回バス「るんるん」というものを見てみます。

こちらが時刻表ですが、土日休日のみ運行なのですね。観光路線で、日中30分間隔で運行されているようです。また主要な経由地で言うと①平泉駅→②毛越寺→⑤中尊寺→⑥高館義経堂→⑨平泉駅の一方向巡回ルートになっています。義経堂へは行きが少し遠回りですが、平泉駅からだと所要時間14分、平泉駅へは所要時間6分ですか。せっかく平泉へ行くなら中尊寺金色堂なども回りたいでしょうから結構便利そうな気がします。平日は運行していないことは注意ですね。
こちらが巡回バスの高館義経堂バス停のストリートビューです(Google My Mapsのストリートビュー①)。右側の道がバス通り、左側の道が高館義経堂へ続いています。
バス停から左の道を進むとこちらの高館義経堂の入り口に着きます(ストリートビュー②)。拝観料を払って階段を登れば良いんですかね。
実はもう一つバスのルートがありまして、それは巡回バスと同じ岩手県交通株式会社の一関前沢線です。一ノ関駅からイオン前沢(前沢駅の東側)まで走っているのですね。最寄りバス停は花舘バス停ですが、この路線は次の接待館遺跡の近くも通るのでそちらで詳しく見ていこうと思います。
高館義経堂周辺のGoogle My Mapを貼っておきます。巡回バスのバス停から義経堂入り口までのルートを追加してますが、もう一つのバスルートの一関前沢線の花舘バス停もマークをつけてあります。また上記ストリートビュー①②のアングルの矢印も付けてあるので拡大して確認してみてもらえればと。
接待館遺跡(せったいだていせき)
では次に接待館遺跡です。最近の調査からこちらが衣川館という説が出てきたのでしょうか。まずは前沢駅から行くか平泉駅から行くかなんですが、前沢駅から接待館遺跡への徒歩ルートがこちら。
一方、平泉駅から接待館遺跡への徒歩ルートがこちら。やっぱり平泉駅からの方が近いようなのですけどねえ。。。住所が奥州市なので奥州市の駅からのアクセスにしたんでしょうか。
でもまあ徒歩はやはり大変なのでバスを検討します。まずは接待館遺跡周辺のGoogle My Mapsを。
一番近いのは接待館前バス停です。これは奥州市のコミュニティバスの衣里線と言う路線のバス停のようです。その時刻表がこちら。

右側の表が接待館前バス停を通るのですが、基本1日1本のようですのでちょっと使いにくいですよね。でも一応接待館前バス停のストリートビューを貼っておきます(ストリートビュー③)。左裏側が接待館遺跡の方向になります。
で、もう一つが衣川橋バス停を通る路線です。その路線が前述の岩手県交通株式会社の一関前沢線でその時刻表がこちらになります。

こちらは土日祝日の時刻表なのですが、衣川橋バス停を通るのは1日8往復でしょうか。平日はもう少し便数が多いようです。こちらの路線ですと前沢駅前も通っているので逆向きになりますがそちらから行くことも可能です。衣川橋バス停のストリートビューも貼っておきましょう(ストリートビュー④)。
道の両側にバス停があるのが分かるでしょうか?このストリートビューは南方向を見ていて奥の右に入る道の方向が接待館遺跡の方向になります。ここから徒歩10分ぐらいでしょうか。
どうでしょうかね。義経ファンである筆者としても接待館遺跡は個人的にはなかなか上級者向けかなあと言う印象です。北上川・衣川周辺は景色が良さそうなので車で行くという選択肢もあるかもしれません。
最後に接待館遺跡そのもののストリートビューを貼っておきます(ストリートビュー⑤)。案内板はありますが基本的には野原だと思いますので、そういうものだと理解した上で訪問するのが良いかと思います。
モデルルート
そうですね、基本的には平泉駅から中尊寺金色堂、高館義経堂などを回るのが良いかなと。接待館遺跡は上級者向けだと思います。松尾芭蕉の「夏草や兵どもが夢の跡」を真に体感するには良いとは思うのですけれども。東京駅からだと一ノ関駅まで東北新幹線、だいたい1時間に1本「やまびこ」が東京駅から直通です。より速い「はやぶさ」も1日数本停まるようですね。はやぶさがない時間帯だからといって仙台駅で乗り継ぐのは時間的にあまり意味がないと思います(ちゃんと調べてはないのですが)。一ノ関駅から平泉駅は在来線の東北本線で2駅ですかね。こちらも1時間に1本程度、新幹線との接続は良かったりそうでもなかったりのようです。東京駅からの日帰りルートを下記の表のように作ってみました。日帰りなのでちょっと朝早めの出発で7時台に東京駅です。接続はまあまあ良い方のものを選びました。帰りは平泉駅でお土産とか物色したいかもですが。中尊寺金色堂と高館義経堂で3時間と2時間取ったのでまあまあ余裕があるスケジュールかなと思います(中尊寺金色堂はけっこう歩きますが)。毛越寺まで入れてしまうとちょっと駆け足になる気がします。そのあたりは臨機応変にですかね。
時刻 | 場所 | 概要 | 料金 |
---|---|---|---|
07:56発 | 東京駅 | 東北新幹線 はやぶさ103号 新函館北斗行き | 13,480円(平泉駅まで) |
10:07着 | 一ノ関駅 | (8分乗り換え) | |
10:15発 | 一ノ関駅 | 東北本線 普通 盛岡行き | |
10:23着 | 平泉駅 | (22分乗り換え) | |
10:45発 | 平泉駅バス停 | 平泉町巡回バス「るんるん」 | 200円(1日フリー乗車券550円) |
10:55着 | 中尊寺バス停 | (見学+昼食3時間) | 中尊寺 拝観料 大人800円 |
13:55発 | 中尊寺バス停 | 平泉町巡回バス「るんるん」 | 200円 |
13:59着 | 高館義経堂バス停 | (見学2時間) | 高館義経堂 拝観料 大人300円 |
15:59発 | 高館義経堂バス停 | 平泉町巡回バス「るんるん」 | 200円 |
16:05着 | 平泉駅バス停 | (18分乗り換え) | |
16:23発 | 平泉駅 | 東北本線 普通 一ノ関行き | |
16:31着 | 一ノ関駅 | (8分乗り換え) | |
16:49発 | 一ノ関駅 | 東北新幹線 はやぶさ110号 東京行き | 13,480円(平泉駅から) |
18:56着 | 東京駅 | (計 28,610円) |
※実際に訪問する場合にはくれぐれも最新の情報をご確認ください。JR等の料金は正規料金を書いています。
ちなみに50歳以上ですがJR東日本の「大人の休日倶楽部」というものに入会(年会費が必要)すると「大人の休日倶楽部パス」という超絶お得なJR東日本乗り放題パスが買えます(期間は限定されてます)。今年2022年の夏は6月23日~7月5日ですか。4日間JR東日本区間の新幹線・在来線特急含めて乗り放題で15,270円です(指定席は6回まで)。もちろん日帰りで使うことも可能です。上の表の正規料金を見れば一目瞭然ですが平泉を日帰りするだけで1日で十分元をとってしまうという。6月終わりはあまり天気は良くないかもしれないのですが、超絶お得なので50歳以上の方は検討してみてもらえればと思います。それでは今回はこの辺りで。
過去の調査リストはこちらから
taiga-kikou.hatenablog.com